あまりに忙しすぎるから、ワークシェアリングしようと
思って、バイトを入れてみようとした。
だが、やはりカット・イラストと漫画の絵は違う。
イラストとしては可愛いし、とても上手い。
だが、作品の中の一コマの絵を任せてみたら、残念ながら
絵に動きがない、迫力がない。
チーフ広井が送ってきたその絵を見て、わしは残念だが
これは難しいだろうと言った。
だが広井はあまりに忙しすぎるので、一人でも手伝って
くれる者が欲しかったのだろう。
自分が少し手を入れて、これを使うと言った。
しばらくしてポカQが電話してきて、これを使うのか?
と憤然と抗議してきた。
絵に関してはポカQは特に厳しい。
文句言うだろうなあと思ってたのだ。
広井君が手を入れたら使えると言ってるからと弁解したが、
完成した原稿を見たら、なんのことはない、広井が一から
描き直してしまっている。
意欲を持って描いてくれたが、使えなくて申し訳ない。
イラストとしては上手いのだ。
だが、漫画はやっぱりクロッキーであり、躍動感が必要だ。
挑戦してくれてありがとう。
というわけでワークシェアリング、今のところ不可能だ。
誰でも描けるようにしておかねばならないと言われても、
誰でも描けないんだからしょうがない。
確かに我が社は一人欠けたら重大なことになる。
原稿を落とすという事態になるだろう。
だからストックを作っておきたいのに、進まない。
いつも締め切りギリギリになる。
それでも良い作品を作り出すために、使命感に燃えて、
描き続けるしかないわけですよ。
メーリスで門下生に、よしりん企画は「仕事の属人化」が
起こっている、かなり危険だ、組織としては致命傷だ、
「やりがい、使命感」等の美辞麗句に騙されてはいけない、
と罵倒されて、岸端も時浦も激怒状態です。
ワークシェアリングという言葉の方が、よしりん企画の
スタッフにとっては、美辞麗句のようです。